ドバイ法人と日本法人の違い:法人税の観点
この記事ではドバイ法人と日本法人の違いを法人税の観点から分かりやすく解説します。
ドバイの法人税制度
ドバイを含むUAEは、2023年6月1日から新しい法人税(Corporate Tax、CT)を導入しました。この税制は全てのエミレーツで適用され、主な目的は国際標準に従った税透明性の確保と有害な税慣行の防止です。
【税率】
- 年間課税所得が375,000 AED以下の場合は0%
- 375,000 AEDを超える場合は9%
- 特定の基準を満たす大規模多国籍企業には異なる税率が適用されます。
【適用範囲】
- UAE内で商業ライセンスを持つ全ての事業
- フリーゾーン企業(規制要件を満たし、UAE本土で事業を行わない場合は現在のCTインセンティブが適用されます)
- 銀行業務
- 不動産管理、建設、開発、エージェンシーおよび仲介活動を行う事業
【免除】
- 自然資源の抽出に従事する事業はエミレーツレベルの法人税が適用されます。
- 資格を有する株式から得た配当やキャピタルゲインはCTから免除されます。
- 個人が得る給与やその他の雇用所得、銀行預金や貯蓄計画から得る利息およびその他の所得も免除されます。
日本の法人税制度
一方、日本の法人税制度は複雑で、多くの異なる税率や免税規定があります。法人税は全国的に適用され、企業の利益に基づいて課税されます。
【税率】
- 標準法人税率は23.2%
- 中小企業には一部軽減税率が適用される場合があります。
【適用範囲】
- 日本国内で事業を行う全ての法人
- 海外で得た所得も日本の法人税の対象となります。
【免除】
- 特定の要件を満たす研究開発費用や特定の投資に対する税額控除
- 資本金1億円以下の中小企業には一部税率の軽減が適用されます。
まとめ
ドバイと日本の法人税制度には以下のような主な違いがあります。
- 税率:ドバイは低税率(最大9%)を採用しており、一定額以下の所得にはゼロ税率を適用します。一方、日本の標準法人税率は23.2%です。
- 免除規定:ドバイは広範な免税規定を持ち、特にフリーゾーン企業や特定の収益に対しては税率が大幅に軽減されます。日本では、中小企業向けの軽減税率や特定の税額控除が存在しますが、全般的には高税率が適用されます。
- 国際的な適用:ドバイは国際基準に準じた税透明性を重視し、日本も国際的な税制基準を取り入れていますが、適用の仕方には違いがあります。
このように、ドバイ法人と日本法人の税制度には大きな違いがあり、事業展開を考える際にはそれぞれのメリットとデメリットをよく理解しておくことが重要です。また、現地日本人エージェントにサポートしてもらう事で英語が話せなくてもVISA取得までサポートしてもらうことが可能です。