Global Citizen SolutionsのGlobal Intelligence Unitが2026年9月16日に公表した「Tax Optimisation for Global Citizens」で、UAEは世界で最も税制面に有利な国・地域と評価された。
Global Citizen Solutions
今回の評価で重要なのは、単に「税率が低い国」を並べたランキングではないことだ。
調査では48の国・地域を対象に、税負担、税制の仕組み、投資移住制度という3つの観点から11項目を比較している。その中でUAEが首位となった。
UAEが1位になった理由
Arabian Businessが紹介した同調査では、UAEの強みとして主に以下が挙げられている。
個人所得税は0%。
VAT(付加価値税)は5%。
さらに、国外へ移住する際に課されるいわゆる「Exit Tax」もない。
こうした税率の低さに加え、税制そのものが比較的シンプルで、国際的に移動する個人や投資家にとって負担を把握しやすい点も評価された。
ランキングでは、UAEに続いて香港、パラグアイ、バハマ、アンティグア・バーブーダが上位に入った。
一方で、この調査が示しているのは「税率が低ければ必ず上位になる」という単純な話ではない。たとえばウルグアイは税率自体は高いものの、Tax Structureの評価では調査対象の中で最も高いスコアを獲得した。つまり、重要なのは税率だけではなく、制度全体がどれだけ分かりやすく、予測可能で、国際的な資産管理と相性が良いかという点だ。
個人には有利。ただし「完全に無税」ではない
UAEは個人所得税がないため、高所得者や事業オーナーにとって大きなメリットがある。一方で、UAEにはVATがあり、法人についても連邦法人税が導入されている。
Global Citizen Solutionsによると、法人税は原則として課税所得375,000AEDを超える部分に9%が適用される。一定の条件を満たすフリーゾーン企業には0%税率が適用されるケースもあるが、すべての企業が無税になるわけではない。
この点は、日本人がUAE移住や法人設立を考える際に特に注意したいところだ。
「UAE=税金がない国」と一括りにするのは正確ではない。
より正確に言えば、個人に対する直接課税が非常に軽く、法人税や消費税も国際的に見て競争力のある水準に設計されている国と見るべきだろう。
なぜ世界中の富裕層や経営者がUAEを見るのか
税制だけで移住先を決める人は少ない。それでも、個人所得税0%、比較的低いVAT、国際金融へのアクセス、ビザ制度、不動産市場、航空ネットワークが同時に存在する国は多くない。
だからこそUAEは、単なる「低税率の国」ではなく、資産・事業・生活拠点をまとめて置ける場所として選ばれている。
今回のランキングは、UAEの魅力が税率の低さだけではなく、税制全体の設計にあることを改めて示した形だ。日本人にとっても、UAEを「節税先」としてだけ見るより、どこに住み、どこで事業を行い、どこに資産を置くかを考える国際的な拠点候補として見る方が実態に近い。
